ごあいさつ

代表取締役社長 小川英郎 

 日本パイプライン株式会社(JPDO)は、1974年から取り組んできたサハリンから日本への天然ガスパイプラインプロジェクトを具体的に事業化するために、1998年に設立されました。以来、多くの内外関係者のご支援を頂いて、日本側及びロシア側における様々な難局を乗り越えながら、ひたすら事業実施をめざして前進を続けてまいりました。

 わが国に隣接するエネルギー資源大国ロシアのサハリンから、天然ガスをパイプラインで直送することは、単にわが国のエネルギー安全保障に寄与するばかりでなく、クリーンで低コストのエネルギーを、新しい供給源の一つとして確保するものとして、わが国産業活動や国民生活に大きく貢献すると期待されてまいりました。

 この事業は、まさに国家国民の将来にわたる基幹エネルギーの安定供給をめざしており、経済性の高い事業として実施可能であることが、内外の専門家の調査分析により裏付けられてきました。すなわち、天然ガス調達元の確保、パイプラインによる低コスト輸送、ガス需要家の確保等により、着実な経済性を確保できることが確認されてきました。

 そのため、日本に残された最後の基幹インフラともいうべき、このサハリンガス田と直結する国際幹線パイプラインに対して、内外から多くのご支援の輪が拡大し、これを受けて日露双方における事業実施環境整備や、早期実施に向けての必要な準備作業等を鋭意進めてまいりました。

 折しも、2011年3月11日に発生しました東日本大震災は、原子力発電所の深刻な事態をもたらしたため、これまで原発にウエイトを置いてきたわが国のエネルギー政策が根本から見直さざるを得ない状況となり、少なくとも喪失原発補完機能として化石燃料中もっともクリーンな天然ガスの普及拡大が尚一層強く求められることとなりました。

 他方において、壊滅的な被害を受けた東北地方の復興のためにも、この地域を優先する基幹インフラを整備することにより、喪失原発に代わる低コストのパイプラインガス発電所の設置など、新しい基幹的産業の創出はもとより、地域産業経済や雇用の活性化をはかり、活力ある地域社会を創出することが求められることとなりました。

 そこで、サハリン-北海道-東北-関東へと縦貫する「日露天然ガスパイプライン事業」をできるだけ早く実施することによって、現下のわが国が重要国家政策として取り組まれている国土強靭化政策、地方創生政策、経済成長政策、日露互恵的経済発展政策等に貢献するとともに、具体的には喪失原発補完と被災地復興支援はもとより、現在進行中の再生可能エネルギー拡大政策、全国規模の広域天然ガスパイプライン整備政策、天然ガス調達コスト削減政策等に貢献できることをめざしているところです。

 つきましては、わが国が直面しているこの歴史的転換期にあたりまして、弊社は新しく再構築された事業実施内容を新しく再構築される事業実施体制にて取り組み、もってわが国における基幹インフラを整備・運営しつつ関連産業を創出し、各種関連産業界との連携をはかりながら、わが国における新しい民営公益事業の展開をめざしておりますので、皆様の更なるご理解とご支援並びにご参加をお願い申し上げる次第です。

 

 

 

 会社概要

商  号
日本パイプライン株式会社(略称JPDO)

(Japan Pipeline Development & Operation Inc.)

所 在 地
〒060-0004 札幌市中央区北4条西7丁目1番地5
TEL: 011-272-6529 FAX: 011-272-6299
設  立
1998年12月8日
事業理念

国益・地方益・国際益への三位一体的貢献

(1)基本的理念

●日露の互恵的経済発展と東アジア平和共存への貢献
 ~国際パイプラインネットワークにより物理的連携強化を

●国土強靭化への貢献
 ~頻発する激甚災害に強い地下埋設基幹インフラの整備により安全・安心を

●日本経済の持続的成長への貢献
 ~大規模基幹インフラ創出と大規模基幹産業創出等により新しい成長戦略促進を

●地方創生への貢献
 ~パイプラインネットワーク整備と関連事業展開により地域産業経済と地域住民生活の活性化を

●エネルギーシステム改革への貢献
 ~福島原発大事故以降に取り組まれているエネルギーシステム抜本的改革の促進を

●地球環境保全への貢献
 ~有害排出物が少なく地下埋設で環境影響も少ない基幹エネルギーとしてのパイプラインガスの普及促進を

(2)具体的理念

●日露直結による平和条約締結促進への貢献

●東日本大震災による被災地復興支援への貢献

●全国規模の広域天然ガスパイプライン整備への貢献

●原発減少と代替電源確保への貢献

●再生可能エネルギー普及への貢献

●ガス輸入コスト削減への貢献

主要事業

日露天然ガスパイプライン事業(サハリン-北海道-東北-関東)及び関連事業

●パイプラインガス輸送事業

●パイプラインガス販売事業

●パイプラインガス発電事業

●パイプラインガス関連事業(都市ガス、圧縮ガス、ガス化学、水素、コージェネレーション、再生可能エネルギーサポート等)

●パイプライン併設光ファイバー等による情報通信事業

●各種関連事業

事業の特徴

日本に残された民営公益基幹インフラシステムの構築

●日露連携を基本とする国際連携事業実施体制構築

●わが国初の国際天然ガスパイプライン整備

●全国広域天然ガスパイプラインの東日本地域をカバー

●喪失原発補完等電力会社との連携システム構築

●調達コスト削減・受入基地接続等LNGとの連携システム構築

●パイプライン周辺再生可能エネルギーとの連携システム構築

●新しい基幹インフラによる基幹産業及び関連産業・雇用創出

株主構成

国際投融資機関及び日本・ロシア・米国・欧州・アジア・豪州等の関係企業を含めた国際合弁会社として構築中

代 表 者

代表取締役社長   小 川 英 郎